催眠のテクニックを恋愛に応用した実践マニュアル

男性を褒めるときの必殺技ダブル・バインド

イメージ・ボックスを利用して好結果を望むのであれば、褒める能力も要求されます。そこで、催眠的接近法により、褒める能力を向上させましょう。人を褒める場合、自分は褒めたつもりでいても、相手からは誤解されることもあります。
たとえば、筋骨たくましい人に、「あなたは体型がスマートですね」と言ったら、自分は「ぜい肉が少ないですね」という意味の表現をしたのに、相手は、「俺がスマートなわけがない。社交辞令か、バカにしたのかのどちらかだ」と言われる可能性もあります。「人を褒めるという行為は、実に微妙で、慎重であるべき」です。このことは、逆の立場に立って考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、一女性が髪の傷みに悩んでいるとします。そこへ一男性から「あなたの髪の毛キレイですね」と言われたら、「この人、誰にでも同じこと言ってるのではないだろうか?」などと否定的に思う可能性のほうが高いと思われます。褒め方が下手だと、相手は不機嫌になることもあります。「自分が相手を高く評価したのだから、相手は喜ぶ」という定石が常に成り立つとは限りません。
そこで、成功する確率が高い褒め方として使えるのが、「ダブル・バインド」というテクニックです。こちらからの褒め言葉に対して、相手が反対の解釈をして期限が悪くなるといった、こちらから接近する際のミスを少なくすることができます。
では、ダブル・バインドについて概略を説明します。ダブル・バインドとは、統合失調症の研究をしていたイギリス人の文化人類学者G・Bが発表しました。日本語に訳すと二重束縛という意味です。子供の躾の例です。母親が子供に対し「ゴミを見つけたら拾いなさい!」と叱りました。

 

ところが、子供はゴミをまたいで歩く母親の姿を見ました。

 

「ゴミを見つけたら拾いなさい」という言葉と「ゴミが落ちていても拾わない母親」を見た子供は、ダブルショックで一時的に反応しなくなり、情緒不安定になります。

 

こういったダブル・バインドを何度か経験して大人になった子供は、統合失調症や引きこもりになる可能性があると言われています。

 

そして、ダブル・バインドを催眠の世界に導入したのは、あのM・E氏ですが、彼はNLP(神経言語プログラミング)の権威でもあり、その技術は群を抜いていました。

 

ちなみに、B氏は70年代初頭、カリフォルニア州サンタクルーズ校クレスゲカレッジの教授をしていて、その下で研究をしていたのがNLPの創始者J・G氏とR・B氏です。

 

この2人に「E氏の研究をするように」と勧めたのはB氏です。

 

B氏はNLPの有力な構成者の一人と言えます。

 

E氏は、B氏のダブル・バインドに二者択一の理論を発見し、催眠誘導に応用しました。

 

以下は、E氏が行ったダブル・バインドの一事例です。

 

催眠をかけた被験者に「あなたが目を覚ました後、私が催眠にかかっていましたか?と尋ねます。でも、あなたはかかっていなかったと答えるのです」と暗示をかけます。

 

目を覚ました被験者に、「催眠にかかっていましたか?」と尋ねると、「いえ、かかっていませんでした」との返答です。

 

この時点で被験者はE氏の催眠指示に反応したと言えます。

 

しかし、何か理由があってこの被験者がE氏の暗示に逆らったとしたら……。

 

被験者は「はい、私は催眠にかかっていました」と答えるしかないのです。

 

どちらの答えでも催眠にかかっていたことを認めたことになります。

 

「人間は目前の選択肢が限られていても、すぐにその選択肢の中から選択を試みます」

 

もし、女性に男友達がいたとして、デートに出かけようとします。

 

川原でバーベキュー、映画、いずれでもかまいません。

 

そのようなときは、「河原でバーベキューしない?」とか「映画はどうですか?」といった誘い方を止めて、「今度の日曜日、河原でバーベキューするのと映画を観に行くのとどちらにしますか?」と尋ねます。

 

後者の表現の方が実現の可能性は高いと思われます。

 

なぜなら、前者の尋ね方だと、いずれかを選択することになりますが、後者の尋ね方だと、どちらか一方を選択することになります。

 

「人間は2つのことで同時に迷うことはありません」男友達がバーベキューに行くか、映画に行くかと迷い始めた時点で、出かけることを前提として受諾しているのです。

 

男友達がバーベキューを選ぼうが、映画を選ぼうが、女性は男友達とデートが可能というわけです。

 

これで、ダブル・バインドの合理性を了解できたことと思います。

 

次は、男性を褒めることに使ってみましょう。

 

たとえば、男性と初めて肉体関係を持った後、男性を褒めてあげたくなったとします。

 

男性は心の中では、「相手の女性が良い気持ちであったのか?それとも逆かな?」と多少なりとも複雑な気持ちがあります。

 

そこで、「いい気持ちでした」と男性に言ってあげます。

 

当然、大部分の男性は喜びます。

 

しかし、この褒め方は、正直に「気持ちが良かった」という受けとめ方と、「ひょっとしたら、自分に対しての社交辞令かな?」といったメッセージの間で迷い、複雑な気持ちになる人もいます。

 

と言うわけで、行為の後で男性を褒めるときは、次の言葉も一つの方法です。

 

「経験人数が多いのですか? それとも天性のものですか?」このように表現すると、「最高でした」というメッセージが男性の脳内に浮かびます。

 

男性は、「そんなに経験は深くありません!」と言いながらも、顔は喜びでいっぱいです。

 

謙遜しながらも、「自分の行為で相当に喜んだな」「自分のことを頼りにしている」などと、「イメージ・ボックスにいる自分に優越感を覚える」のです。

 

性行為の後の褒められたい気持ちは、女性が男性に料理を作ってご馳走したときと同様です。

 

精根込めて料理を作ったのに、男性が「美味しい」と言わなかったら気分は良くありません。

 

女性が「美味しい」という言葉を期待するように、男性も女性の喜んだ反応を期待しているのです。

 

だからといって、褒め方が下手だと相手は不愉快です。

 

ここまでで、ダブル・バインドの理論はご了解いただけたと思います。

 

あとは、応用レベルです。

 

褒め方を二通り理解したら、すぐにでも実行に移すべきです。