催眠のテクニックを恋愛に応用した実践マニュアル

相手の警戒心を速やかになくしてしまうミラーイング

椅子に腰掛けている被験者に対して、術者は対面して座ります。

 

術者は被験者を催眠に導こうとします。

 

術者が静かに右手を上げると被験者も同様に手を上げます。

 

両者の間に鏡があるかのごとくです。

 

このようにして両者が同調するということは、被験者の緊張がとれた証しであり、催眠状態を作り出すための第一歩です。

 

たとえ被験者が催眠状態でも、心に多少でも警戒心がある間は、同調するということにはなりませんし、当然のことながら信頼関係も100%ではないので暗示に対してきちんと反応しません。

 

しかし、いったん警戒心がなくなると、別に催眠の状態でなくても簡単に同調します。

 

他の例で言います。

 

静かな部屋で、知人や家族などと会話中に、誰かがアクビをしたとします。

 

あなたもつられてアクビをしたことはありませんか?

 

まだあります。

 

同調するという現象は、恋人同士でもあります。

 

レストランで食事をする時に周囲を観察すると、親密なカップルは、ポーズやしぐさが非常によく似ています。

 

これらの現象は、「お互いに警戒心が無くなっているために、思考に無駄が無くなっているから起こる」という現象です。

 

気を抜いたという心の動きが相手に移ったというわけです。

 

心の動きと体の動きは、非常に密接な関係にあります。

 

相互に影響を与えます。

 

相手と心が繋がると、自然と外見も同調してきますが、催眠では、この現象を逆に利用して信頼関係を作ります。

 

言い換えると、意識的に同調させる現象を起こし、「相手の無意識の心理状態に、“自分と同様である”と思わせて、心を開放的にする」のです。

 

相手の行動を、あたかも鏡に映したかのごとく何回かマネを繰り返すと、相手は心を早々と和らげます。

 

このテクニックは、ショー催眠の催眠術師が、観客の中から催眠に掛かりやすい人を選び出すときの常套手段です。

 

催眠について話をしながら、自然に手を耳に近づけて、耳たぶに触るように見せます。

 

このとき、観客の中を注意深く観察し、自分と同じように、耳に手を触れる人をステージに登場させるのです。

 

これが、『ミラーイング』と呼ばれるテクニックです。

 

それでは、実践に移します。

 

もし、合コンの席で目に留まった男性がテーブルに肘を付き、前屈姿勢で「楽しんでますか?」と言ったら、あなたもテーブルに肘を付き、前屈姿勢で「楽しんでます」と言います。

 

もし、相手の男性が、肩がこっているようなそぶりで、「休日はどういうふうにして一日を過ごしていますか?」と尋ねられたら、彼のポーズを鏡に映したように、あなたはブラジャーの肩紐のズレを直すようにして「家で一日中寝ています」などと言えばよいでしょう。

 

このように、数回ミラーイングを繰り返すと、彼の心は、「この子を以前どこかで見たような気がする」などという気持ちになります。

 

ただし、一点要注意事項があります。

 

それは、ミラーイングしていることを相手に気づかれないようにすることです。

 

相手に気づかれると「何故、僕のマネをするの?」となります。

 

こうなるとミラーイングの効果半減です。

 

繰り返して言います。

 

「相手の心中の無意識の部分に同調することが催眠の技術」なのです。